今週の火・水・木・金の四日間で人生最後の修学旅行へ行ってきた
金曜日の夜に地元の駅へ着き、解散した後は駅近くにある祖母の家で一泊
翌日である今日の夕方、電車賃節約のため、あらかじめ祖母宅に置いておいた自転車で自宅へ向かった
途中、親や友人からメールが来ていたので、次の信号待ちで返信メールを打っていた
自転車にまたがったまま携帯をいじっていると小さい女の子を連れた若い母親が隣に立った
買い物帰りかな、とそれぐらいに思いながらメールを打ち続けていると、
うつむけた視界の隅で母親の手がすっと動くのが見えた
大して気にも留めずメールの方に集中していると、自転車の前カゴから妙な振動が
視線だけで様子をうかがうと前カゴに乗せた私の旅行用バッグに母親の手が触れている
バッグには旅行中に荷物が混雑してもわかりやすいようにと大きめのマスコットをつけていたんだけど、
母親の手は私の目の前でそれを取り外しているところだった
顔をうつむけたままの私が見ていることには気付いていないらしく、
母親は我が子に向けて小声で「しー」と言いながら取り外したマスコットをそっと渡そうとしていた
そこで「あの、それは」と声をかけると、母親はギクッとしたように私を振り返り、
よほどびっくりしたのかしばらくそのままの状態で見つめられた
信号が青に変わると母親は我に返ったように「落ちてたの」とだけ言って
手に持ったマスコットを私のバッグに乗せ、女の子の手を引きながらさっさと信号を渡りだしてしまった
仕方がないので追い抜きざまに「わざわざ拾っていただいてどうもですー」と礼を言っておいた