小学校一年生くらいの女の子が、とても可愛らしい帽子を被って、
お母さんと手を繋いで駅のエスカレーターを降りていこうとしていた。
私はその親子の少し後ろを歩いていて、かわいーなーと思っていたら、
エスカレーターを昇ってきた女性がすれちがい様にすっと、
女の子の帽子を取って、自分のスリングの中の赤ちゃん被せて
立ち去ろうとした。

「お母さん、娘さんの帽子今、盗まれましたよ！」と大声をあげても、
泥棒は何くわぬ顔でやりすごそうとしたので、その泥棒を引き留めようと
軽く腕を掴んだら、まぁ、ふじこるふじこる。
暴力だなんだ、この帽子は私が買ったものだ、なんだ。

駅員さんが騒ぎを聞き付けて来てくれて、別室でそれぞれ話を聞かれた。
女の子の帽子はサマーニット？の手編みの帽子だったらしく、
私も見ていたので、あっさり帽子は女の子のものだと証明できたよう。

残念ながら仕事に遅れそうだったので、駅員さんに連絡先を教えて
そのまま出勤したので、泥棒がどうなったかわからない。

女の子が脅えて可愛そうだった。泥棒の赤ちゃんには帽子大きかったし、
何より盗品を赤ちゃんに身に付けさせるなんて気持ちが悪くて仕方ない。